ウィズ・コロナ時代に現れる、飲食店顧客の「4大特徴」とは

 数ヶ月の外出規制や自粛の期間を経て、多くの消費者は店内での飲食の復活を歓迎していますが、まだ警戒心が強い人が多いのも事実です。 そのような中でレストランは、健康と安全に配慮した対策を実施し、テイクアウトやデリバリーとダイインサービスを両立させ、屋外に席を設置し、様々なオペレーションに対応するようなメニューの作成に奔走しています。  


 苦しい状況が続く中、ひとつ朗報と言えそうなことは、最新の調査でわかった「38%の消費者が今後3ヶ月の間に、再び外食することを楽しみにしている」という数値です。 

 調査は、データを駆使した顧客体験プラットフォームサービスを提供する会社「セブン・ルームズ(SevenRooms)」が委託し、大手世論調査会社「ユー・ガブ(YouGov)」が7月31日から8月3日まで、1,237人のアメリカ人を対象に実施したものです。


 しかし、その調査でわかった潜在的な顧客も、ただ外食の再開を待っているだけではなく、異なるニーズと期待を持っていることがわかりました。  

 セブン・ルームズが調査結果をもとに分類した、4つの大きなニーズと期待を紹介します。 

(元記事 Restaurant Business:4 ‘DINER PERSONAS’ REVEAL WHAT MOTIVATES RESTAURANT CUSTOMERS IN THE AGE OF COVID


 今回の調査結果はアメリカの消費者を対象にしたものですが、コロナウイルスに対する消費者マインドは日本でも共通する点があり、参考になると思います。


ウィズ・コロナの世界に向け、消費者の店舗選びの基準は大きく変わってきています(写真は元記事より引用)


1. テイクアウト&デリバリーサービスを奨励するグループ 

 このグループは、「ワクチンができるまでは外食は控えたい」と考えているのが特徴です。 約4人に1人(23%)は、「2020年の残りの期間も外食はせず、テイクアウトかデリバリーでしか注文しないだろう」と回答しています。 そういった状況で、レストランはこれらのサービスを更に改善していき、約半分のアメリカ人はそれらのサービスに満足している状態が続くと予想されています。 


2. 衛生安全対策を熟知し、重要視するグループ 

 ウィズ・コロナの時代に、顧客がレストランの衛生安全対策をチェックすることはもはや当たり前です。 従業員のフェイスマスク着用やソーシャルディスタンスの確保できているかをチェックするのは当然で、このグループの顧客は、それ以上のものを求めています。

 回答者の3分の1以上(37%)が「テーブルとテーブルの間の物理的なバリアが欲しい」と答え、33%が「テーブルの上に個人用の手指消毒器を置いて欲しい」、24%が「提供される料理にはカバーをかけて欲しい」と答えています。 


3. テクノロジーに敏感で、非接触性を求めるグループ 

 約7人に1人(13%)の消費者が、「非接触型の食事サービスを提供するレストランのみを利用する」と回答しています。そのサービスの中でも特に求められているのは、「バーチャル・ウェイティングリスト」です。回答者の22%が、「事前にウェイティングリストに登録しておき、到着したらすぐに着席できるようにしたい」と回答しています。 また回答者の21%は、「店舗での接触履歴がわかるテクノロジーを使用」することを希望し、17%は「注文や支払いにQRコードを使用」することを希望しています。  


4. 楽観的で、外食を熱望するグループ 

 このグループは、外食を熱望しており、新型コロナウイルスのリスクや規制をあまり気にしていません。多くの人(42%)は外食を制限していますが、一方で、回答者の29%は、「レストランの屋内での食事を快適に楽しんでいる」と答えています。

  既に屋内での飲食を再開しているグループは、馴染みのあるレストランに訪れていることが多く、37%は「以前に行ったことのある場所での食事がより快適に感じる」と回答しています。一方で25%は、「これを機に新しいレストランを訪れるだろう」と回答しています。バーの利用再開は優先順位が低く、回答者の15%にとどまっています。 


 セブン・ルームズのCEO兼共同創業者であるジョエル・モンタニエル氏は、今回の調査結果に対し、「全国の地域経済が再開し続ける中、レストラン経営者は、新たに求められる安全性と、伝統的なおもてなしのモデルとの間で、適切なバランスを取ろうとしています。また、屋外での食事や、バーチャル・ウェイティングリスト、非接触での注文と支払いなど、顧客それぞれのニーズは異なるということが、この調査でわかりました」と述べています。


ー YAGI USA コメント ー

 日本の場合、アメリカと比べてコロナの影響は少ないので、「今年の残りも外食はせず、テイクアウトとデリバリーのみ」という層は少ないと思います。

 しかし、これまでも繰り返し伝えてきた通り、「テイクアウト&デリバリー」、「衛生安全対策」、「テクノロジーを活用した非接触性サービス」が重要であることは、調査からも明白です。これらのポイントを無視し、ウィズ・コロナの時代で生き残っていくことは難しいでしょう。

 

 1点、セブン・ルームズ CEOのコメントで重要だと感じたのが、「バランス」というワードです。

 この「バランス」とは、パンデミックの状況が複雑に変化し、規制の強化や緩和など、先が見えにくい環境で、変化に対応できる「柔軟さ」であると考えました。


 最後に出てきた「楽観的で、外食を熱望するグループ」が、馴染みの店を利用するという点からもわかるのは、従来通りのオペレーションやサービスを求める層も、引き続きいるということです。

 ニューノーマルへの対応は必須です。しかし例えば、いきなりテイクアウトとデリバリーだけにするなど、極端にサービスを切り替えたり、オペレーションを急激に変化させると、これまで利用していた層が離れていってしまう可能性もあります。仮にデジタルテクノロジーを導入しても、顧客がそれに対応できなさそうであれば、安全性の確保は別の方法がいいこともあるでしょう。

 

 こればかりは、店舗のある地域や、ブランドの顧客の性質によって状況が大きく異なるので、対策は一概には言えません。大切なのは状況分析と未来予測です。自身の店舗の利用層は、このグループで言えばどこに該当しそうなのかを考えるなどして、バランス感覚を養っておくことも、柔軟に変化に対応できる準備のひとつとなるかも知れません。

 調査からも、コロナ以前の世界にはもう戻らないことは明白です。みなさんと一緒に、ウィズコロナ、アフターコロナの世界に向けた準備ができればと思っています。


 【YAGI USA ビジネスコラム ライター(東京): 神戸 孝平】

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