これから増える?「バーチャル・ダイニング」の実例を紹介!

 アメリカの飲食業界の情報を伝える「EATER」は、コロナウイルスの状況下で、「バーチャル・ダイニング」に挑戦するフィラデルフィアのレストランの様子を伝えています。

(元記事:Apricot Stone Will FaceTime You to Recreate the Restaurant Experience at Home


 コロナウイルスの大流行で、州内のレストランのダイニングルームが閉鎖される中、フィラデルフィアのレストランのオーナーたちは、顧客を魅了し、楽しませるために創造性を存分に発揮しています。

 「バッド&マリリン」のデリバリーとテイクアウトのメニューには、バターミルクフライドチキン、ビール、ブディーノに加えて、1,000ピースのジグソーパズルが含まれています。「トリプル・ボトム・ブリューイング」は、Weckerly'sのアイスクリームとCàphêのコーヒーでケアパッケージを作っています。テイクアウトのお店「アンジェロズ・ピッツェリア」は、いつもは行列が長いことで知られていますが、電話予約もスタートしています。

 そして、ノーザン・リバティーズのアルメニア料理店「アプリコット・ストーン」では、オーナーのアラ・イシュカニアン氏が「バーチャル」のホスト、サーバー、ソムリエとしてサービスを提供し、新たな顧客体験を作り出しています。


フィラデルフィアのアルメニア料理店「アプリコット・ストーン」の「バーチャル・ダイニング」の様子(写真は、The Philadelphia Inquirerより引用)


イシュカニアン氏は「ゲストとの交流が仕事の中で一番好きな部分であり、自身も、顧客も、自粛期間で退屈しています。誕生日や記念日のディナーなどの特別なイベントを逃している人もいて、私たちは、そのような経験をできる限り再現しようとしています」と、この取り組みについて述べています。


 アプリコット・ストーンの「バーチャル・ダイニング」の最初のステップは、電話をしてディナーの予約をするところからスタート。イシュカニアン氏は予約者にいくつかの質問をしたあと、メニューと、それに合うお勧めのワイン、ビール、スピリッツのリストをメールで送ります。


 予約日時になると、イシュカニアン氏は、FaceTime、Duo、Skypeなどのアプリを使い、ビデオチャットで電話をかけます。予約者が電話に出ると、画面の向こうには、レストランの中で、水とワイングラスが置かれたテーブルの隣に立つイシュカニアン氏の姿が。音楽がバックグラウンドでは流れ、イシュカニアン氏がメニューを案内しながら注文を取ります。


フィラデルフィアのアルメニア料理店「アプリコット・ストーン」の料理(写真は元記事より)


 デリバリーはGrubhubのような外部の配達サービスではなく、レストランのフロントスタッフが行うため、イシュカニアン氏は、注文した料理がいつ到着するかを正確に把握。フロントスタッフにお願いすることで、休業期間中でも、従業員に賃金を払うこともできています。 


 料理が運ばれたという連絡を受けたら、5分ほど待ってから、再びビデオチャットで電話をかけ、料理の説明を行ったりします。時には、レストランでの体験を再現するように、画面内のテーブルの上のグラスに水を注いでから、ビデオチャットを切るなどの工夫もしています。


 イシュカニアン氏は、お客さんが本当に気に入っているのは、レストランの雰囲気だと考えています。デリバリーされた料理を普通に自宅で楽しむことができますが、少しでもランクアップした自宅での体験をしてもらいたいと思い、このサービスを提供しています。


ー YAGI USA コメント ー

 今回紹介したような「バーチャル・ダイニング」は、今後確実に増えていくと思います。様々なビデオツールも発達して来ていますし、5Gや、VRなども今後浸透していく中で、バーチャル体験のクオリティは向上し、機会も増えていくでしょう。

 現状では、バーチャルでの体験は、「リアルでの体験の置き換え」「リアルな体験よりは劣る」というイメージがあります。しかし今後は、「バーチャルの方がむしろ良い」というような価値提供をしなくてはいけないと思います。

 このバーチャル・ダイニングにおいても、いくつかのその可能性を感じます。例えば、バーチャルにすることで、一晩で本来は限られた顧客にしかできない、シェフからの直接のサービスを、複数の顧客が受けることができます。また、注文された料理を作っている映像を配信することができれば、オープンキッチン以上に臨場感のあるレストラン体験ができるかも知れません。BGMも、レストランオリジナルのプレイリストを送って自宅でかけてもらうことで、雰囲気を作り出すこともできるでしょう。食器も、オリジナルデザインの使い捨てのものが開発できれば、自宅でのバーチャル・ダイニングの体験をさらに良いものにできると思います。

 営業再開しても、これまで通りのサービスというのはなかなか難しいと思います。変わりゆく世界の中で、進化するテクノロジーを活用することができれば、リアルとは差別化できる、これまで以上に面白いレストラン体験を生み出せるかも知れません。

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