コロナ禍で破綻の可能性が高いとされる、アメリカの6つの大手レストランチェーン

 アメリカのカジュアルダイニングチェーンは、新型コロナウイルスの影響で、店内飲食のキャパシティの制限されるなど、非常に厳しい状況を強いられています。テイクアウトなどのサービスで代替の売上を確保しようとしていますが、元の状態に戻るには到底至りません。

 

 そんな中、大手チェーンのひとつ、カリフォルニア・ピザキッチン(California Pizza Kitchen)は、日本における民事再生法である「米連邦破産法11条」、通称「チャプターイレブン」を申請しました。 

 世界最大手の格付け会社「S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンス」の新しいレポートによると、カリフォルニア・ピザキッチンが来年に債務不履行に陥る確率は20%以下となっていますが、危険な状況にあることに変わりはありません。  


 S&Pのアナリストは特に、冬が来て屋外の座席が使用できなくなることと、600ドルの失業給付金がなくなることを懸念しています。議会では、給付金の延長について議論の最中です。 

 S&Pによると、レストランやバーの売上高は6月に前年比で26%減少しており、店内での飲食が徐々に再開されてはいるものの、厳しい状況は続いています。 いくつかの最大手のレストランチェーンが、抱えている負債を返済できない可能性が非常に高まっているとされる、全米のレストランのリストに載ってきています。

 ここでは、債務不履行の可能性が高いとされている6つの大手チェーンを取り上げます。

(元記事 USA TODAY:6 national restaurant chains in deepest trouble amid COVID-19 include Outback Steakhouse, IHOP and Denny's


全米を代表するチェーンにも暗雲が立ち込めています(写真はDenny's Facebookより)


1. デイブ&バスターズ(DAVE&BUSTER'S)

DAVE&BUSTER'S(画像はWRAL.comより引用)


 S&Pによると、このチェーンは、レストランとしてだけでなく、ゲームなどができるエンターテイメント施設の部分も大きかったため、そのダメージは大きく、来年債務不履行に陥る可能性は16.1%とのことです。

 実際同社は、5月上旬に終了した四半期に4350万ドル(約46億円)の純損失を記録しており、全米の大手外食企業の中での信用格付けは、非常に低くなっています。しかし、S&Pによると、同社は新たな投資資金の確保を含む資金調達を行い、債務不履行に陥らず存続する可能性を大幅に向上させたといいます。


2. ブルーミン・ブランド(Bloomin' Brands):

 アウトバック・ステーキハウス(Outback Steakhouse)の親会社

Outback Steakhouse(写真は元記事より引用)

 

 アウトバック・ステーキハウス(Outback Steakhouse)を始めとする、5ブランドを持つ

ブルーミン・ブランズ(Bloomin' Brands)は、債務不履行の可能性が13.2%という評価を受けています。  

 同社は7月24日の声明で、前週1週間の売上が、前年比で10.7%減少していると発表しています。しかし、苦しい状況の中でも変化に対応していくことで徐々にプラスの方向に向かっており、店内での飲食が再開されたことで、キャッシュフローも改善しているそうです。万が一テイクアウトとデリバリーのみに戻った場合でも、全社的には良好な状況にあるとのこと。

 ダイニングルームが閉鎖されている期間中でも、従業員に対して救済金を支払い続けていたことで、再開後にスムーズに軌道に乗ることができたこともその要因の1つです。


3. デニーズ(Denny's)

Denny's(写真は元記事より引用)


 終日朝食メニューを提供していることで有名なデニーズ(Denny's)ですが、債務不履行の可能性が11.9%と評価されています。同社の最新の決算報告書によると、6月は改善したものの、7月は前年比での落ち込みが悪化。7月22日に終了した週の売上高は、前年比41%減でした。 

 しかし、CEOのジョン・ミラー氏は「パンデミックのさらなる影響に効果的に対処しつつ、最終的な成長と将来の成長に備えるための十分な態勢が整っていると確信している」と述べており、今後の動向に注目が集まります。


4. チーズケーキファクトリー(The Cheesecake Factory)

The Cheesecake Factory(写真は元記事より引用)


 チーズケーキファクトリー(The Cheesecake Factory)は、コロナ状況下の春の時点で、すでに家賃の支払いを滞納しており、金銭的な問題に直面し続けています。一方専門家によれば、同社の家賃滞納は、家主との交渉戦術だったのではないかとも言われており、現状がはっきりしない部分もあります。しかしそれでも、S&Pによれば、同社は債務不履行に陥る可能性が11.7%あると評価されています。


5. Dine Brands Global(ダイン・ブランド・グローバル):

 アップルビーズ(Applebee's)とアイホップ(IHOP)の親会社

Applebee's(写真は元記事より引用)


 アップルビーズ(Applebee's)とアイホップ(IHOP)の両巨大チェーンを所有するDine Brands Global(ダイン・ブランド・グローバル)は、債務不履行の可能性が11.3%という評価です。7月26日までの1カ月間のそれぞれの業績は、アップルビーズの店舗の売上高が前年比18.4%減、アイホップは37.6%減となりました。

 しかし、CEOのスティーブ・ジョイスCEO氏は、厳しい第2四半期の間、事業を上手く管理し、お客様の利便性と安全性のニーズを満たすことで、驚異的な回復を見せたとコメント。4月以降に業界全体の状況が改善していることにも楽観的な見方を続けており、長期的な戦略と変化し続ける業界の状況に迅速に適応できると自信を示しています。


6. ビージェイズ・レストラン(BJ's Restaurant) 

BJ's Restaurant(写真は元記事より引用)


 ピザとビールで知られるビージェイズ・レストラン(BJ's Restaurant) の債務不履行の可能性は、9.3%という評価です。 デニーズ同様、同社の状況は6月から7月にかけて悪化。カリフォルニア州が店内飲食を再規制したことのダメージが大きく、7月下旬の売上高は、6月の約30%の減少に対し、前年同月比で約40%減少したそうです。 


ー YAGI USA コメント ー

 新型コロナウイルスのパンデミックが始まってから、すでに多くのレストランチェーンが破綻しており、名前がピックアップされるところだけでも20件は超えています。実際はもっと多いでしょうし、小さいレストランの閉店も含めれば悲惨な状況です。

 しかし、一方で一部のレストランチェーンは業績を上げており、ファストフード企業はドライブスルーサービスが充実していることもあって、順調に持ちこたえています。例えば、マクドナルドが債務不履行に陥る可能性は、同じくS&Pによれば、0.005%ということで、今回の記事に出てきた6社の9~16%の高さが伺えます。

 業界全体は、「K字回復」の傾向と予想されている通り、業態によって明暗がはっきりと分かれている状態です。

 先日も大手グリル料理チェーンのSizzler(シズラー)が破綻しましたし、世界的に前代未聞の状況では、まさかこんなところが経営破綻、ということもまだまだ有り得ます。

 日本市場においても、決して対岸の火事などではなく、世界的な不況の波がいつ襲ってくるかはわかりません。「まさか」となる前に、先に色々な事が起きている世界の情報を掴み、ビジネス面ではもちろん、気持ちの部分でも様々な準備をしておくことが重要です。

  参考記事:アメリカの飲食業界 コロナ禍での閉店・破産ラッシュの状況

【YAGI USA ビジネスコラム ライター(東京): 神戸 孝平】

ーー

YAGI USA LLCでは、アメリカ進出に役立つ情報、市場やトレンドに関する最新情報を発信していきます。

その他、米国進出支援、米国販路開拓サポート、展示会サポート、視察サポートなど、様々なご希望に対応させていただきますので、ご興味がございましたら、usat@yaginet.jpまで、お気軽にご連絡ください。

以下のお問い合わせフォームからでもご連絡いただけます。

YAGI USA LLC

アメリカのビジネス最新情報を受け取る!

0コメント

  • 1000 / 1000