ダンキン カリフォルニアで「決済不要」システムの店舗をテスト

 ドーナツを主力商品とし、世界で約13,000店舗を運営するカジュアルフードチェーン「ダンキン(Dunkin')」は、カリフォルニア州で、店頭での決済が不要なタイプの店舗をテストする準備を進めています。

 10月に開始されるテストプログラムでは、顧客は店内に入ってコーヒーやスイーツを手にする際に、キオスクやレジで誰とも会話をしたり、商品などをスキャンすることなく、店内で過ごすことが出来ます。

 今回のテストに向けて導入されるのは、「ショップ・エニウェア・バイ・マスターカード(Shop Anywhere by Mastercard)」と名付けられた、自動セルフサービス・プラットフォームです。

 ダンキンは、Mastercardの新技術を利用するレストランやコンビニエンスストアのブランドの中のひとつとなります。

(元記事:Dunkin’ to test an Amazon Go-style 'no checkout' shopping experience in California


10月より「決済不要」タイプの店舗のテスト運営を開始するダンキン(写真は元記事より引用)


 このシステムでは、顧客がダンキンのアプリやキオスク端末でプラットフォームに登録すると、携帯電話に表示されたQRコードを使って、コーヒーやドーナツのセルフサービスステーションが設置されたテスト店舗に入ることができます。

 一度店内に入れば携帯電話はもう不要で、好きなドリンクやフードメニューをピックアップして、店を出ることが出来ます。このプラットフォームでは、アクセル・ロボティクス社によって作成されたコンピュータビジョン技術を使用して購入者や手に取られた商品を追跡しています。このシステムでは、消費者のプライバシーを保護するために完全に匿名化されており、安全であるそうです。

 顧客が店を出ると、デジタルレシートがアプリ上で確認できるという通知が届きます。商品をスキャンしたり、決済の手続きは不要で、ただ店を出るだけでOKです。


 今回の自動決済型店舗のテストのように、革新的な試みを取り入れるダンキンは、カリフォルニア州サンタアナとコロナの2つのエリアでも「次世代」の店舗を展開しています。 そこでは、注文の進捗状況が表示されるタッチスクリーン端末とデジタルメニューボードが設置されています。 

 その他にも、購入金額に応じた特典サービスである「DD Perks プログラム」の導入や、ダンキンのアプリを使ったモバイルオーダーシステムと、それに応じたデリバリーや路上でのピックアップシステムの導入、より迅速で非接触性の高いサービスを重視した店舗デザインなど、より便利で消費者が利用しやすいブランドを目指す方法を模索し続けています。


ー YAGI USA コメント ー

 今回搭載される自動決済の機能は、既にAmazonが運営する「レジのないコンビニ」であるアマゾン・ゴー(Amazon Go)が搭載しているものと同様です。

 ダンキン以外にも、コンビニエンスストアの「サークルK」も同様のシステムを導入しており、老舗ファストフードチェーンの「ホワイトキャッスル(White Castle)」も、今年の後半には、同じくマスタカードが開発した「AIを搭載したドライブスルー」のプラットフォームのテストを計画しています。

 このドライブスルーシステムでは、ナンバープレート認識とAIを搭載したデジタル音声アシスタントを用います。このシステムによって、よりパーソナライズされ、かつ非接触性の高い購買体験を提供できることを計画しているそうです。


 自動決済システムは、新型コロナウイルスの感染拡大前から、人件費の高騰の課題や店舗運営の効率化の点から注目され始めていました。しかし、省人化、効率化以外にも、「非接触性」が店舗設計の最重要課題のひとつとなるウィズコロナ、アフターコロナの世界では、衛生安全対策のひとつとしても更に注目度が増しそうです。

 元々デジタルの推進を図ろうとしていたブランドにとっては、今回のパンデミックは、ある意味できっかけのひとつとなったのではないでしょうか。小売店や飲食店でのデジタルテクノロジー事例は、指数関数的に伸びると予想されます。

 日本では、パンデミックの影響がアメリカほどなく、衛生安全対策という点での店舗改革も、そこまでスピードが出ないかも知れません。ただ、世界からの人の移動が戻った際に、既にそういったテクノロジーに慣れている顧客が日本に訪れます。自動決済や、非接触性のサービスが自国で当たり前になった状態の人たちからすれば、現金でのやり取りや、従業員とのコミュニケーションが、不便や不安に感じるかも知れません。

 その際の顧客体験の満足度を上げるためにも、海外で先に起きている事例を参考にし、今後の店舗デザインやオペレーションにおけるデジタル・トランスフォーメーションについて考えていくことも重要ではないでしょうか。

 【YAGI USA ビジネスコラム ライター(東京): 神戸 孝平】


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